Make vs n8n どっちがいい?料金・セルフホスト別の選び方2026
「MakeとN8n、結局どっちを使えばいいの?」
これ、正直かなり悩む。料金表を見ても単位が違うし、「セルフホストできる」「1,800以上のアプリ対応」みたいな謳い文句が並んでいても、自分のケースに当てはめた比較が見つからない。
この記事では、利用パターン別のコスト試算とセルフホスト・AI機能の実力差を軸に、2026年時点での選び方を整理する。「どちらが優れているか」ではなく「自分にはどちらが合うか」を判断する材料として使ってほしい。
MakeとN8n、まず30秒でポジションを整理する
2つのツールは似て非なる存在だ。一言で言うとこうなる。
- Make:ノーコード特化のSaaS。ブラウザだけで完結する。
- n8n:エンジニア親和型のOSS。自分のサーバーに置ける。
Makeはもともと「Integromat」という名前だった。2022年にリブランドされて現在に至る。n8nは2019年にOSSとして公開され、2026年時点でGitHubスターが65,000超。OSS自動化ツールとしては異例の存在感だ。
両方ともZapierの競合として語られることが多いが、複雑な分岐・ループ・データ変換においてはZapierより高機能。「Zapierの劣化版」は完全な誤解なので先に訂正しておく。
2025〜2026年の変化点も押さえておきたい。
- Makeは「Make AI」を強化し、自然言語でシナリオ生成が可能になった
- n8nはv1.x系が安定版として定着し、AIエージェントノードが実用レベルに達した
- n8n Cloudはワークフロー数ベースの課金体系に移行(実行数ベースから変更)
この前提を踏まえて、具体的な比較に入る。
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料金を「実務シナリオ別」に試算してみると見えること
料金表を横並びで見ても判断できない。単位が違うからだ。Makeは「オペレーション数」、n8nは「ワークフロー数」で課金される。
Makeの課金構造で引っかかるポイントがある。オペレーションは「ステップ数×実行回数」で消費される。たとえば10ステップのシナリオを1,000回実行すると、10,000オペレーション消費だ。無料枠の1,000オペレーションは、少し複雑なシナリオを数十回動かすだけで枯渇する。
3パターンで実コストを試算する
| 利用パターン | 月間実行数の目安 | Make | n8n Cloud | n8n セルフホスト |
|---|---|---|---|---|
| A:個人・副業 | 月500回程度 | 無料〜$9 | $20〜(5ワークフロー) | VPS代$5〜$10 |
| B:小規模チーム | 月5,000回程度 | $29〜 | $50〜(15ワークフロー) | VPS代$10〜$20 |
| C:業務本格運用 | 月50,000回超 | $100〜(要試算) | 要問い合わせ | VPS代$20〜+運用工数 |
⚠️ 料金は2026年5月時点の目安。為替・プラン改定で変動するため、必ず公式サイトで確認を。
パターンAは一見Makeが安く見える。ただしステップ数が多い自動化を複数本走らせると、すぐに有料プランが必要になる。
パターンCになると話が変わる。n8nセルフホストのコストは「VPS代+自分の運用工数」だけ。月$20のVPSで数十万回の実行をさばける。スケールするほどn8nが有利だ。
「n8nセルフホストは完全無料」という誤解は要注意。 OSSライセンス自体は無料だが、VPS代・バックアップ管理・バージョンアップ作業は別途かかる。「タダ」ではなく「サーバー代だけ」という認識が正確だ。
セルフホスト・AI機能・コネクター数の実力差
セルフホストはn8nの独壇場
Makeは2026年時点でセルフホスト不可。データは海外サーバー上に置かれる。これを見落とすケースが意外と多い。
医療・金融・行政など個人情報を扱う業務では、このポイントが致命的になる。n8nのセルフホストなら社内環境や国内サーバーで完結できるため、コンプライアンス要件がある現場ではn8n一択になる。
n8nセルフホストの最低構成の目安はこのあたりだ。
- RAM:2GB以上(Raspberry Pi 4でも動作可能)
- 構成:Docker + PostgreSQL推奨(SQLiteは小規模・開発用のみ)
- 技術難易度:Docker操作に慣れていれば1〜2時間で立ち上げ可能
コマンドラインに抵抗がある人には正直ハードルがある。ただ一度立ち上げれば、あとの運用は思ったよりシンプルだ。
AIワークフローはn8nが現状リード
Makeも「Make AI」でOpenAIやAzure AIとの連携を強化している。自然言語でシナリオを生成できる機能は便利だ。
ただし、AIエージェントの実用性という軸ではn8nが上だと感じている。
n8nのAI Agent Nodeは、OpenAI・Claude・Geminiとのループ処理やメモリ管理が柔軟に組める。LangChainライクなフローをノーコードで構築できる点が特徴だ。Makeでも類似のことはできるが、複数エージェントを連携させる複雑な構成になると、n8nの方が細かい制御ができる。
当ラボで試した範囲では、AIエージェントを組み込んだ業務自動化はn8nで構築した方が「思い通りの動き」に近かった。
コネクター数の「1,800 vs 400」をどう読むか
Makeの1,800+アプリ対応 vs n8nの400+ネイティブノード、という数字だけ見るとMakeが圧倒しているように見える。
ただしn8nにはHTTPリクエストノードがある。APIを公開しているサービスであれば、ネイティブノードがなくても接続できる。実務上「n8nだと繋げない」と困ることは少ない。
一方で、ノーコードで即座に繋ぎたいサービスが多い場合はMakeが楽。Makeの1,800+コネクターは、設定画面がGUI化されているものが多く、APIの仕様を調べずに使える点が強い。
自分に合うのはどっちか:条件別の結論
比較をまとめると、判断軸は3つだ。
n8nを選ぶべきケース
- 月間実行数が多く、コストをスケールさせたい
- 個人情報・機密データを扱うためデータを外部サーバーに渡せない
- AIエージェントや複雑なループ処理を組みたい
- Dockerが扱えて、サーバー管理に抵抗がない
Makeを選ぶべきケース
- プログラミング・サーバー管理を一切やりたくない
- 今すぐ使い始めてUIで直感的に動かしたい
- 月間実行数が少なく、SaaSで完結させたい
- MicrosoftのTeams・Azure連携が業務の中心にある
正直なところ、「どちらか迷っている」段階ならMakeから始める方が失敗が少ない。UIの分かりやすさはMakeの方が上で、躓く場所が少ない。規模が大きくなったり、セルフホストが必要になったタイミングでn8nへ移行する流れが現実的だ。
ただし移行コストは発生する。最初からデータ主権・スケールコストが課題になるとわかっているなら、最初からn8nを選ぶ方が後悔が少い。
次にやること:まず無料枠で「自分のシナリオ」を動かす
記事を読んだだけでは選べない。両ツールとも無料で試せる枠がある。
今日やるべき1アクションはこれだ。
「自分が自動化したい処理を1つだけ選んで、Makeの無料プランで実際に動かしてみる。」
1,000オペレーションの制限はあるが、シナリオの設計感覚・繋ぎやすさの実感は使ってみないとわからない。MakeのUIを触って「もっと細かく制御したい」と感じたら、そのタイミングでn8nを検討する。それが最短ルートだ。
n8nの具体的なセットアップ手順や、Claude APIとの連携方法は別記事で詳しく解説している。興味があれば合わせて読んでほしい。
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